皆さんは「泣いた赤おに」という絵本をご存知でいらっしゃいますか?

 

少し前にマスターの子どもが、家で音読の宿題をしている時に、この物語を読んでいるのを聴いて、なんとも切ない気持ちになったのを覚えています。

 

物語の内容は、

 

 

赤鬼が村人と仲良くになりたいと思っていましたが、なかなか信用してもらえず悩んでいました。

 

すると、友達の青鬼くんがやって来て、赤鬼の悩みを聞き、

 

「よーし、それじゃ僕が悪者の役を引き受けるから、村人が見てる前で僕をこらしめる芝居をすればいいよ」と言いました。

 

赤鬼は、青鬼くんを悪者にすることに気が進みませんでしたが、

 

青鬼くんに「いいから、早く早く」と急かされて、村人の家をめちゃくちゃにする青鬼くんを、村人の前で退治しました。

 

すると、村人たちは「赤鬼くんっていい奴だなぁ」と赤鬼くんと仲良くなりました。

 

それからしばらくたって、ふと、赤鬼は青鬼くんのことが気になりました。

 

「青鬼くんはどうしてるだろう」

 

赤鬼は、夜明けに家を出て、何度も山を越え谷をわたり、どんどん山の奥へ進み、青鬼くんの家にたどり着きました。

 

すると、青鬼くんの家の戸は閉まっており、そこには貼り紙がしてありました。

 

「赤鬼くん、村人たちと仲良く暮らしてね。僕が赤鬼くんと仲良くしているのを見られたら、村人たちに、おれたちをだましたな、と思われてしまう。だから僕たち、もう会うのはよそう」

 

「そう考えて、僕はこれから長い旅に出ます。でも僕はいつまでも君を忘れないよ。身体を大事にしてね。今までありがとう。」

 

「さようなら、どこまでも君のともだち 青鬼より」と書いてありました。

 

赤鬼はだまって何度もそれを読み、何度も涙を流しました。

 

子どもが感情たっぷりに読んでいる横で聞きながら、つい、マスターは目を潤ませてしまいました。

 

マスターは早速、この絵本を取り寄せて、さかな工房の囲炉裏に置きました。興味のある方は是非、ご覧になってください。